唐津クリエイティブツーリズム

普通、というのは一体なにをさすのでしょうか。
国語辞典によるとそれは、「特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。
それがあたりまえであること。また、そのさま。」と書いてあります。
唐津に住む友人に「どんな町?」と尋ねたとき、返ってきた言葉は「普通、何にもないよ」。
それは、ただありふれた答えとして、私の心に残ることはありませんでした。

でも、唐津のフリーペーパー「ROAST」を見た時、それは確かに普通でありながらも、
唐津の普通を切り取った風景は奇跡のように私の目には映りました。
そして、唐津クリエイティブツーリズムを企画し、
「ROAST」を編集している佐藤さんと吉岡さんに行程を組んでいただき、ロケハンに訪れた時。

そこは確かに、唐津の友人が語った「普通の町」でした。
でも、町をアテンドして下さる吉岡さんと合流し、ゆらりゆらりと唐津の町を歩いていると、
そこは「ROAST」で見た、ありふれた風情を奇跡のような確立で保っている、
普通と言い切るにはもったいない、唐津の町になったのです。

その町を知る人と、町を歩く。
そこに住む友人ですら知らない魅力を、発見し、磨いていこうとする人たちと歩く唐津。

それはただの町歩きではなく、過言ではなく、2011年3月11日以後続く、
いつ壊れるかも分からない、奇跡のような毎日を噛み締めるような、思いがします。

「ROAST」が見せてくれた唐津の景色を、日常を、「ROAST」を編集した人々と歩く。
そこで見えるものは「普通の町」ではなく、町を尊ぶという新たな観光の形そのものが、見えるのではないかと思うのです。